「AIを使うべきだとは思うが、何から手を付ければいいのか分からない」。中小企業の経営者や事業責任者の方から、よく聞く悩みです。ChatGPTのような生成AIを触ってはみたものの、日々の業務にどう結びつけるかが見えず、結局そのままになっている、という状態も珍しくありません。
この記事では、従業員が数名〜数十名の会社が、AI導入の最初の一歩をどう決めればよいかを整理します。ツール名から入るのではなく、「どの業務の、どの時間を減らしたいのか」から考える順番を解説します。読み終えるころには、自社で最初に見直す業務の候補を3つ挙げられるようになります。
最初に決めるのは「ツール」ではなく「業務」
AI導入がうまく進まない最も多い原因は、先にツールを選んでしまうことです。便利そうなツールを契約しても、使う業務が決まっていなければ、数週間で誰も開かなくなります。順番を逆にして、先に業務を選びます。
見直す業務の選び方
次の3つの条件に当てはまる業務ほど、AIで効果が出やすい候補です。
- 繰り返しが多い:毎日、毎週、同じような作業をしている(メールの返信、議事録、見積書や報告書のたたき台など)。
- 文章や情報を扱う:文章の作成・要約・分類・整理が中心の作業。
- 間違えても取り返しがつく:最終確認を人が行えば、致命的な問題にならない作業。
逆に、法律や会計の最終判断、個人情報を大量に扱う処理、間違いが重大な損害につながる業務は、最初の対象には向きません。
最初の一歩を決める4つのステップ
1. 1週間の業務を書き出す
担当者ごとに、1週間で何にどれくらい時間を使ったかを、ざっくり書き出します。精密な記録は要りません。「メール対応に毎日1時間くらい」「月末の報告書づくりに半日」といった粒度で十分です。
2. 上の3条件で候補を絞る
書き出した業務のうち、繰り返しが多く、文章や情報を扱い、確認すれば間違いを直せるものに印を付けます。多くの場合、3〜5件ほどに絞れます。
3. 1つだけ、小さく試す
候補の中から、時間がかかっている割に難しくないものを1つだけ選び、まず1〜2週間試します。いきなり全社に広げず、担当者1〜2名で始めるのが安全です。
4. 前後で時間を比べる
試す前と後で、その作業にかかった時間と、手直しにかかった時間を比べます。減った時間が小さければ、別の業務かツールに切り替えます。減った時間が大きければ、同じやり方を隣の業務へ広げます。
よくあるつまずきと対処
| つまずき | 起きがちな原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 導入したが使われない | 使う業務が決まっていない | 業務を先に決め、担当者を限定して始める |
| 出力の手直しが多い | 指示(プロンプト)や元の情報が不十分 | 良い出力例と悪い出力例を共有し、指示文をテンプレート化する |
| 情報漏えいが不安 | 入力してよい情報の線引きがない | 個人情報・機密情報は入力しない、というルールを先に決める |
| 効果が分からない | 導入前の時間を測っていない | 試す前に、作業時間を簡単に記録しておく |
情報の取り扱いについては、生成AIの利用ガイドラインの記事も参考にしてください。
自分で進めるか、診断を使うか
ここまでの手順は、社内だけで進められます。一方で、次のような場合は、外部の目を入れたほうが早く進みます。
- どの業務が候補になるのか、自分たちでは見分けがつかない。
- ツールの種類が多すぎて、自社に合うものを比べる時間がない。
- どれくらいの時間を取り戻せるのか、先に目安を知っておきたい。
こうした場合に向けて、Otsumuは「AIツール診断 アセスメント」を用意しています。45分のオンラインヒアリングで業務を伺い、合う既製のAIツールと、取り戻せる時間の目安をレポートにまとめます。診断のみで、開発や自動化の構築は含まれず、診断後に契約の義務もありません。
Otsumuに相談できること
Otsumuは、「AIファーストで、爆速で、事業を再構築する」ことを支えるチームです。AIをどの業務に使うかを決める段階から、実際の開発・運用の自動化まで、段階に合わせて相談できます。まずはAIツール診断(98,000円・税別・参考価格)で現在地を整理するのがおすすめです。診断の内容と予約は、AIツール診断 アセスメントのページから確認できます。
診断以外の相談は、お問い合わせフォームから受け付けています。事業の構想や開発については、サービス一覧もご覧ください。
この記事について
この記事は、Otsumuが一般的な考え方をもとに整理したものです。効果や削減時間は業務や会社によって大きく異なり、成果をお約束するものではありません。編集日 2026.10.25