デスクリサーチとは
デスクリサーチとは、すでに公開されている統計、報告書、記事、企業の公開情報などを机の上で調べる調査です。新たに顧客へ聞き取りを行う前に、市場や業界の全体像をつかむために使われます。
「デスク」は机のことで、現場に出ずに資料を調べる性格からそう呼ばれます。既存の情報を使うため、二次データを扱う調査と位置づけられます。
デスクリサーチの進め方と情報の扱い方
進め方は次のとおりです。
- 調べたい問いを決める:何が分かれば判断が変わるかを先に書きます。
- 情報源の種類を選ぶ:公的な統計、業界団体の資料、企業の公開資料、学術的な文献など。
- 出典と条件を記録する:発行主体、年次、定義、対象範囲を必ずメモします。
- 複数の情報源を突き合わせる:数字が一致しない場合は、定義や調査方法の違いを確認します。
- 分かったことと、分からないことを分ける:資料で答えが出ない問いは、面談や観察へ回します。
情報の質は、出典の信頼性と、自分の問いとの適合で判断します。たとえば「市場」という言葉も、資料によって対象の範囲が違います。数字だけを抜き出さず、その数字が何を数えたものかを確認することが肝心です。
実務での使い方・具体例
架空の例として、高齢者向けの見守りサービスを検討するチームが、最初にデスクリサーチを行います。人口の構成の変化に関する公的な統計、関連する制度の概要、既存のサービスの公開情報を集め、対象となる人や関係者の全体像を整理します。
次に、資料から分かる範囲と分からない範囲を分けます。たとえば、家族がどんな場面で不安を感じるか、どの段階でサービスの利用を考えるかは、資料では十分に分からないかもしれません。その問いは顧客ヒアリングの質問として設計します。
デスクリサーチの結果は、年次と出典を付けたメモにして共有します。後から数字を引用するときに、条件の違いに気づけるようにするためです。
よくある誤解と注意点
デスクリサーチの落とし穴は、数字だけが独り歩きすることです。年次が古い、定義が異なる、対象が違う資料を並べると、誤った結論を導きます。
また、公開情報だけでは顧客の本音や行動の理由は分かりません。資料が多いことで調べた気になり、顧客に会う判断が遅れることも避けたい点です。
市場規模などの数値は、算出の前提で大きく変わります。資料の数字をそのまま事業計画に載せるのではなく、前提を理解したうえで、自社の対象に合わせて読み替えます。出典の信頼性も確認してください。
調べた資料は、一覧表にして出典、年次、要点、使える範囲を残します。担当が変わっても同じ根拠をたどれるようにしておくと、後の見直しや社内説明の場面で役立ちます。
公開資料を使う際は、引用や転載のルールにも配慮します。出典を明記し、資料の利用条件を確認したうえで、自社の資料には要点を自分の言葉でまとめて記載します。
最後に、調査で得た情報は、事業の判断にどう影響するのかまで書いて共有します。情報を集めるだけでなく、「だから何を確かめるか」を添えると、調査が次の行動につながります。
関連用語
- 一次データ・二次データ:デスクリサーチが扱うデータの種類を整理する用語です。
- 定量調査:数値で全体の傾向をつかむ調査の方法です。
- 顧客ヒアリング(カスタマーインタビュー):資料では分からない理由や背景を聞く方法です。
- 競合分析:公開情報を使って行う、代表的な調査の一つです。
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Otsumuに相談できること
デスクリサーチでは、どの資料を信頼してどこまで使うかの判断が重要です。Otsumuでは、調べる問いの設計から、資料と面談の役割分担の整理まで相談できます。
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執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04