保守・運用とは
保守とは、公開したシステムの不具合を直したり、環境の変化に合わせて更新したり、必要な改善を加えたりする仕事です。運用とは、システムを問題なく動かし続けるために、日々の監視、バックアップ、利用者からの問い合わせへの対応などを行う仕事です。
開発が「作る」仕事だとすれば、保守・運用は「使い続けられる状態に保つ」仕事です。システムは公開してからが本番であり、この期間は開発の期間よりも長くなるのが普通です。
両者は密接に関連しますが、契約や費用の面では分けて扱われることが多く、範囲を明確にしておく必要があります。
仕組み・ポイント
保守・運用の主な仕事は次のとおりです。
| 区分 | 仕事の例 |
|---|---|
| 運用 | 稼働状況の監視、バックアップ、利用者の管理、問い合わせの窓口 |
| 障害対応 | 異常の検知、原因の調査、復旧、再発の防止 |
| 保守(修正) | 不具合の修正 |
| 保守(更新) | 部品や基盤の更新、安全対策の適用 |
| 改善 | 機能の追加や使い勝手の向上 |
契約の際には、どこまでが保守に含まれ、どこからが別の費用になるかを、書面で明らかにします。特に、問い合わせへの対応時間、障害時の対応の速さ、報告の方法は、後でトラブルになりやすい項目です。
また、開発した会社に任せるか、別の担当に引き継ぐかによって、必要な文書や引き継ぎの内容が変わります。担当者が替わっても運用が続けられるよう、手順の文書化が重要です。
実務での使い方・具体例
架空の例として、開発会社から見積もりを受け取った場面を考えます。見積もりには、開発の費用だけが記載されており、公開後の保守・運用の記載がありません。確認すると、不具合の修正は一定期間は無償だが、運用の監視や機能の追加は別の契約になることが分かりました。
そこで、必要な作業を一覧にし、「誰が」「いつ」「どこまで」行うかを整理します。社内で担えるものと、外部へ任せるものに分け、費用を比較して判断します。障害時の連絡の窓口と、休日や夜間の対応の方針も、この段階で決めておきます。
契約を見直す際は、対応の時間帯や速さの水準を、実際の利用者への影響と比べて、過不足がないかを確認します。夜間や休日の対応が本当に必要か、事業の性質から判断します。保守の費用は、継続的に発生するため、年間の予算にも組み入れておきます。
判断のチェックポイント
- 保守に含まれる範囲と、別の費用になる範囲を確認したか
- 障害時の連絡先、対応の時間帯、速さを決めたか
- 日々の監視と、バックアップの担当を決めたか
- 部品や基盤の更新の計画と費用を見込んだか
- 担当者が替わっても引き継げる文書を用意したか
- 改善や機能追加の依頼の手順を決めたか
よくある誤解と注意点
- 公開したら終わりではない:運用は継続的な仕事で、費用が発生し続けます。
- 見積もりに含まれているとは限らない:保守の範囲は別に確認します。
- 安いからと範囲を確認しない:必要な対応が含まれていない場合があります。
- 担当者の個人に依存しない:文書と手順で引き継げる体制にします。
- 更新を後回しにしない:古いまま放置すると、安全面の問題が増えます。
関連用語
- システム監視:システムの状態を測り、異常を検知する取り組み
- インシデント管理:障害への対応を管理する取り組み
- SLA(サービスレベル合意):サービスの品質に関する合意
- 検収:成果物を確認して受け取る手続き
Otsumuに相談できること
開発の見積もりだけを見て判断すると、公開後の運用の負担を見落とすことがあります。Otsumuでは、事業の段階に合わせて、公開後に必要な保守・運用の範囲と体制を、ご一緒に整理できます。
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執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04