事業場外みなし労働時間制とは
事業場外みなし労働時間制とは、労働者が事業場の外で業務に従事し、使用者の具体的な指揮監督が及ばず、労働時間の算定が難しい場合に、一定の時間を働いたものとみなす制度です。 みなし労働時間制とも呼ばれます。
外出が多い営業職や、出張中の業務などで検討されます。ただし、外で働いていることだけでは適用できず、労働時間の算定が実際に難しいかどうかが判断の基準です。情報通信機器で常に連絡がつき、細かな指示が出されている場合などは、適用されない場合があります。
仕組み・ポイント
判断の観点を整理します。
- 事業場外での業務:主な業務が、事業場の外で行われているかを確認します。
- 指揮監督の及ぶ程度:具体的な指示や管理が、どの程度行われているかを見ます。
- 算定の困難さ:実際に労働時間を把握することが難しいかを検討します。
- みなす時間の設定:みなす時間を、業務の実態に合わせて決めます。
- 手続きの確認:必要な協定や届出の要否を、現行の案内で確認します。
進め方の手順
- 業務の実態(場所、指示の程度)を整理する。
- 労働時間の算定が難しいかを検討する。
- 適用の可否と必要な手続きを、現行の案内で確認する。
- 運用後も、実態の変化を点検する。
判断の目安
検討の目安は、「会社が労働時間を把握しようと思えば、実際にできる状況か」です。情報通信機器の発達で、場所が離れていても管理できる場合が多く、適用が認められる場面は限られる場合があります。判断が難しい場合は、専門家に確認してください。
確認したい質問
- 業務は、事業場の外で行われ、時間の算定が実際に難しいか。
- 会社が具体的な指示や管理を行っていないか。
- みなす時間は、実態からかけ離れていないか。
- 適用の可否を、現行の案内と専門家で確認したか。
実務での使い方・具体例
架空の例として、新規事業の顧客開拓のため、営業担当者が外出して活動するとします。外出中の行動を、会社が逐一指示や確認をしているのであれば、適用は難しい可能性があります。人事担当者は、業務の実態を整理し、適用できるかを現行の案内と専門家で確認します。
制度の適用を検討する際は、働く人の健康への配慮も重要です。労働時間をみなす場合でも、実際の働き方が長時間に及んでいないか、定期的に面談で確認することが望まれます。
また、業務の内容や連絡の方法が変わった場合には、適用の可否を再確認します。制度の導入後も、定期的な点検を続けてください。
制度の対象と考えていた業務でも、情報通信機器の使い方が変わると、実態も変わります。業務のやり方を変更したときは、そのつど、適用の可否を見直してください。
よくある誤解と注意点
- 外出や在宅をしているだけでは、適用できません。
- 実態が変わると、適用の可否も変わります。
- みなす時間は、実態からかけ離れた設定にできません。
- 労働時間の把握が不要になるわけではありません。
- 制度は変更されることがあります。
なお、制度や基準は変わるため、最新情報は公的機関・専門家で確認してください。ここでの説明は一般的な考え方であり、個別の事案についての助言ではありません。
関連用語
- テレワーク:在宅などで働く方式で、この制度の適用とは別に考えます。
- 裁量労働制:労働時間の扱いが異なる別の制度です。
- フレックスタイム制:始業・終業の時刻を調整する制度です。
- 労働時間の通算:労働時間の把握に関わる別の論点です。
Otsumuに相談できること
営業や出張が多い新規事業の働き方を整理する場面で、一般的な観点から相談に乗れます。進め方の全体像は事業戦略・新規事業の支援のページにまとめています。
状況の整理だけでも構いません。30分の無料相談から、お気軽にご相談ください。無理に何かをお勧めすることはありません。
執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04