新規性とは
新規性とは、特許などを受けるための要件の一つで、その発明が出願の時点で、すでに世の中に知られていないことを指します。「すでに誰かに知られている技術には、特許は与えられない」という考え方です。自分で発表してしまった場合にも当てはまるため、出願前の情報管理が重要になります。 新規性は「新しい」ことを意味し、特許のほか、意匠でも似た要件があります。特許では、新規性と進歩性が基本的な要件として扱われます。
仕組み・ポイント
主な要素を整理すると次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 判断の基準 | 出願の時点で、公然と知られていたか、実施されていたか、刊行物に載っていたか |
| 公開の例 | 発表、展示、販売、ウェブでの公開、論文、営業資料など |
| 対象 | 自社が公開した情報も含まれる |
| 救済 | 一定の条件で例外が認められる場合がある |
新規性は、技術の優劣ではなく、公開されているかどうかという事実で判断されます。だからこそ、開発者本人が気を付けるべき要件であり、社内の情報管理の仕組みが問われます。
判断のポイント
- 公開した情報が、出願予定の技術と重なっていないか。
- 守秘の約束がある相手にだけ開示したことを、記録で示せるか。
- 海外での公開や、他者による公開の有無を確認したか。
実務での使い方・具体例
新規事業の技術を試作品として見せる場面を想定します。展示会や顧客への説明、ウェブでの紹介が、新規性に影響する可能性があることを、事前に社内で共有します。出願を検討する技術については、公開の前に知財担当や専門家に相談し、必要なら先に出願します。守秘義務のある相手にだけ見せる場合の扱いも、事前に確認します。
進め方の例
- 出願を検討する技術を、社内で明確にし、公開の前に確認する。
- 営業資料や発表の内容に、その技術が含まれていないかを点検する。
- 公開してしまった場合は、日時と内容の記録を残して専門家に相談する。
守秘義務を結んだ相手への開示は、状況によって扱いが分かれます。契約の有無や実際の管理の状況で判断が変わり得るため、相手と結ぶ秘密保持の取り決めの内容も、確認しておく必要があります。
新規性の失われ方は、本人が意図せず起こることが多い点にも注意が必要です。社員のSNS投稿、取引先への資料送付、採用向けの技術紹介など、日常の発信が影響する場合があるため、全社的に意識を共有しておくと安心です。
よくある誤解と注意点
- 自分が公開した情報も、新規性を失わせる原因になります。
- 日本で新しくても、海外で公開されていれば新規性が失われる場合があります。
- 少し変更しただけで新規性があると判断できるわけではなく、別の要件も関わります。
- 救済制度があっても、それを前提にした計画は危険です。
- 法令・制度や運用は改正で変わります。実際の判断や手続きの前に、最新情報を公的機関や弁理士・弁護士などの専門家で確認してください。費用、期限、要件などの具体的な内容は、必ず公式の案内に当たってください。
関連用語
- 新規性喪失の例外:新規性を失った場合の救済
- 進歩性:新規性とともに問われる要件
- 先行技術調査:新規性の見立てに使う調査
- NDA(秘密保持契約):秘密保持の取り決め
Otsumuに相談できること
新規性を守るには、技術の発表や営業の動き方を、知財の方針と合わせて設計する必要があります。Otsumuでは、事業の公開計画を整理し、どの情報をいつ出すかの検討をお手伝いできます。 新規事業の進め方全体の整理は新規事業・事業戦略のサポートで扱っています。
状況を聞いたうえで論点だけ整理したい場合は、30分の無料相談をご利用ください。個別の権利判断や手続きは、必要に応じて弁理士・弁護士など専門家と進める前提でご相談いただけます。
執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04