二次的著作物とは
二次的著作物とは、既存の著作物(原著作物)を翻訳、編曲、変形、翻案などして創作された著作物を指す、著作権法上の概念です。元の作品に手を加えて新たに作られた作品のことです。翻訳版や、小説を原作とした脚本などが例です。新しい作品としての著作権が生まれる一方で、元の作品の権利者の権利も関係し続けます。 「二次的」は、元の作品から派生して作られたことを意味します。元の作品は原著作物と呼ばれます。
仕組み・ポイント
主な要素を整理すると次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 例 | 翻訳、編曲、脚色、映画化、変形、翻案など |
| 原著作物の権利 | 二次的著作物を利用するときにも、原著作物の権利者の権利が及ぶ |
| 新たな権利 | 二次的著作物を作った者にも、その創作部分について権利が生じる |
| 利用の際 | 原著作物と二次的著作物の双方の権利者の許諾を確認する |
二次的著作物を作るには、原則として、原著作物の権利者の許諾が必要です。事業で既存の作品を加工して使うときは、改変の可否を契約や利用条件で確認する必要があります。
判断のポイント
- 元の作品の権利者から、改変の許諾を得ているか。
- 派生作品の権利の帰属を、契約で決めているか。
- 再利用や第三者への提供の範囲を確認したか。
実務での使い方・具体例
既存のイラストや文章を、サービスの素材として加工して使いたい場面を想定します。まず、素材の権利者と、利用条件で、改変や翻案が認められているかを確認します。許諾の範囲を超える改変は、権利の侵害になり得ます。許諾を得て作成した派生の作品について、権利をどちらが持つか、第三者に再利用できるかなどを、契約で決めておくと後の混乱を避けられます。
進め方の例
- 使う素材について、改変や翻案の許諾があるか確認する。
- 許諾の範囲と、派生作品の権利の帰属を契約で定める。
- 外部への提供や再利用の可否も、あらかじめ確認する。
AIを使った加工や、既存の作品を元にした生成物についても、元の作品の権利との関係が論点になることがあります。個別の状況によって判断が分かれるため、専門家に相談することが望ましい分野です。
海外の素材や、オープンなライセンスで提供されている素材を使う場合は、改変や再配布の条件がより細かく定められていることがあります。使う前に条件を読み、社内で共有できるよう記録しておくことが、基本の運用になります。
契約書に「改変してよい」と一言あっても、改変後の権利や公開の可否まで定まっているとは限りません。派生の作品を事業で長く使う予定なら、権利の扱いまで書かれているかを、契約書の文言で確認しましょう。
よくある誤解と注意点
- 元の作品を加工しても、元の作品の権利がなくなるわけではありません。
- 自分が加えた部分には権利が生じても、元の部分は自由に使えません。
- 許諾の範囲は契約で定まるため、条件の確認が欠かせません。
- 個別の判断は事案によるため、専門家に確認してください。
- 法令・制度や運用は改正で変わります。実際の判断や手続きの前に、最新情報を公的機関や弁理士・弁護士などの専門家で確認してください。費用、期限、要件などの具体的な内容は、必ず公式の案内に当たってください。
関連用語
- 著作物:二次的著作物の元になる概念
- 著作権:原著作物と二次的著作物に生じる権利
- 引用:加工とは異なる、一部を利用する方法
- AI生成物の著作物性:AIの出力に関する論点
Otsumuに相談できること
素材の加工や翻案を伴う事業では、許諾の確認が事業の継続性に関わります。Otsumuでは、素材の調達や利用の流れを整理し、確認すべき契約の論点を洗い出すお手伝いができます。 新規事業の進め方全体の整理は新規事業・事業戦略のサポートで扱っています。
状況を聞いたうえで論点だけ整理したい場合は、30分の無料相談をご利用ください。個別の権利判断や手続きは、必要に応じて弁理士・弁護士など専門家と進める前提でご相談いただけます。
執筆:Otsumu株式会社 / 編集日 2026.10.04